月刊群雛2015年10月号サンプル&著者インタビュー
主人公の晶子に主観を置いて、登場する人物、つまり家族や友人の視点を複合的に書き込みました。私の最も敬愛する作家の一人、中上健次先生の「紀州サーガ」や、尊敬する作品集『千年の愉楽』の、至福に満ちた文体の雰囲気作りを模倣させて頂いたつもりです。内容は、晶子の家族と、友人の寛子たちの生活が実りの秋へと向かう、最後の「桜町」という架空の場で、夏祭りでの高揚と終わりの儚さを描きました。ラスト・シーンの花火が打ち上がるシーンで、読者のカタルシスを誘うように書き込んだつもりです。全体的に読み手である読者のノスタルジーを喚起するようにして、桜町の夏の最後の夏祭りというストーリーの色付けをした小説です。
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