月刊群雛2015年12月号サンプル&著者インタビュー
父の四十九日の法要を終えた夜、「私」は母親の異様な行動を目撃する。雨の降る中、母はなぜか、家の屋根に登っていた。
母にその理由を問い質してもはぐらかされるが、「私」は母の行為が、十年前に実家を出たままとなっている妹と関係しているのではないかと考える。妹は五歳の時に父によって引き取られてきた養女で、父の初恋の女性の娘だった。
片づけが得意で《始末をつける》ことにこだわりを持つ母と、その母にしつけられた「私」は、家族の中で起きた問題にどう対処したのか。母と娘の思惑が交錯する様を描く。
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