月刊群雛2015年12月号サンプル&著者インタビュー
古き良き失われてしまった時代の、新宿を巡る川のほとりにあるジャズ喫茶が舞台です。川の流れに託して、人生に翻弄される人々の情景や心の移り変わりを叙情的に描きました。社会の下の方で力強く生きる人々を綿密に書き込んだ小説です。大学を辞めることを考えながらも、毎日川を眺めながら暮らし生きる喫茶店のボーイの正志、同じくウェイトレスとして働く百合子、高校を中退し、ジャズ奏者となった田邊、田邊を見守る、夜の仕事で働くみすずが主な登場人物です。登場人物たちは皆、どこかしら人生に投げやりになりながらも強く生きる方法を模索しているので、そこが作品の主題になっています。
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