月刊群雛2015年12月号サンプル&著者インタビュー
苦心の結果、私は幼い頃からの夢だった童話作家に、ようやくなることができそうだった。
しかし、夢を掴みかけた途端、ペンを持つ右手が動かなくなってしまった。あれだけ頭の中に溢れていたアイデアが、物語が、旱魃の湖のように干上がってしまったのである。
そんな私を見かねて、作家仲間がとある人物を紹介してくれた。作家としての彼があるのは、その人のおかげとまで言っていた。
半信半疑で訪ねた私に、その老人は言ったのだった。「それではひとつ、ある短い物語をお聞かせいたしましょう」
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