名作SFには猫が登場する。本作にも猫が登場する。つまり本作はSFだ。Q.E.D.
第5話 猫。あるいは夏へのスフィア
夏休みの間、ジェシカは紅葉商店の上のペントハウスで一人暮らし。本に埋もれた生活の中、雨の日に出会った猫・ディックとの同棲生活もはじまり、充実した日々を送っていた。そんな中、秋葉あきば先生から新商品のモニターを頼まれ、ペントハウスで試用を始めることに。自分の好きな夢が見られるというそのアイテムは、確実に作動するものではないようで、夢は見られたり見られなかったり、また情報の読み込ませ方もよくわからないという代物だった。ジェシカは丁寧な調査レポートを作り、秋葉先生に報告をしたのだった。しかし、このアイテムにはメーカーも予想していなかった、特殊な機能が秘められていて……。夢を見せる球体スフィアの真の能力とは一体なんなのか。ジェシカとディックがその謎を解き明かす、かもしれない。
(初出:『月刊群雛』2015年09月号)
第6話 集めた方程式
スーパードライブ航行中の宇宙船〈フォアラーク号〉で密航者が発見された! 宇宙の法律は、密航者は発見次第「遺棄」すべしという冷徹なものだというのは常識中の常識だ。船の安全を任されている船長のキャプテン・ハックは、当然密航者を追い出すべく、船内の捜索を始める。「出てこい!」船倉に響く声。人影がうごき、ハックはブラスターを構えるのだが……。有史以来、多くの事例を後世に残す〈方程式問題〉。フォアラーク号のクルーは、人類最大の難題に果敢に挑む。密航者一人の命はどこまで重いのか。クルーに突きつけられる選択とは。最後に泣くのはいったい誰だ!
(初出:『月刊群雛』2015年10月号)
表紙イラスト:
ソメイヨシノ(『月刊群雛』2014年02月号表紙イラスト担当)
以降、毎月続刊発売予定!
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