『月刊群雛』2016年05月号掲載作品サンプル版
以前掲載していただいた『ウラ垢女子 リンリン』の続編です。登場人物は普通の人ですが、今回からダークな部分に踏み込みます。超人的な能力はなにもない普通の人達が、普通にやれる事を書いただけの短編なので、内容は結構地味です。
今回の作品は、ドストエフスキーの『罪と罰』に登場する、敬虔なクリスチャンのソーニャをモデルにしました。家族のために娼婦になった彼女を150年後の日本につれてきたのですが、思った以上にすんなり収まってしまってショックでした。この一世紀半の間に、人はそれほど進歩していなかったのではないでしょうか?
前回に引き続き登場する隆司と澄々には、じっくりセラのことを心配してもらいながら、お互いの関係を深めていただきました。もっと物語が進んだ時に、彼らが本当に誰かを助ける事ができれば一番嬉しいのですけど、それはいつになる事でしょう?
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