── ファッションで、私は認められるんだ。
オーストリアにある、シュレージエン地方。ある日、プロイセンによって奪われてしまう。
オーストリアはフランスと手を組み、奪還する計画を立てた。
その保険として、オーストリアはマリー・アントワネットを差し出し、ルイ十五世の息子、ルイ・オーギュストと結婚をさせた。
母であり、女帝と言われた、マリア・テレジアの指示によって。
フランスのヴェルサイユ宮殿は、マリー・アントワネットを歓迎する。だがすぐに、ルイ十五世の愛人、バリー夫人と敵対。それを遠巻きに見て楽しむ、フランス貴族達。
指定されたドレスを着ない。夫は子作りをしない。
マリー・アントワネットは、周りから認められず、人気は落ちていく。
そんなある日、自分の事を悪評するビラに、こんな文章が載っていた。
「貴族の女は夜、マリー・アントワネットになる」
ヴェルサイユ宮殿に、はびこる古いしきたりをなくし、自分で考案したファッションで、再び人気を得ようと、立ち上がった。
(※『月刊群雛』2016年08月号掲載作品のサンプルおよび作品情報&著者情報を収録しています)
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