-30代女子、婚活はもう時代遅れです。
30代独身女子が、”孤独死”をプロデュース?!
特に美人でもお金持ちでも才能がある訳でもない、平凡な33歳のOL、相原由衣。結婚願望もゼロで、「むしろこのまま誰にも心を揺さぶられず、淡々と生きてひっそりと死んでいきたい」と願う“低体温症ガール”は、長い低成長が続く現代日本で生きる女性の内面をリアルに活写します。夢をもって自分のやりたいことに挑戦する訳でもなく、心を開いて友だちや恋人と付き合うこともできなかった由衣の本心を見破るように現れた書店員の掛井祐司は、由衣の甘えを優しく諭しつつ、その背中を押してくれる等身大のヒーロー。そんな掛井は由衣に「いい死に方、ありますよ」とスイスの“安楽死ツアー”を紹介するが――?
ネガティブゆえにポジティブでポップな死生観を軸に展開する、大人女子必読の新しい恋活=終活ドラマ。かたくなに乾いたあなたの心の扉を開くきっかけになるかもしれません。
Novel Jam 2017 出場作品
本を入手していないとコメントは書けません。
ちょっと堅物な主人公が恋に目覚めるお話かしら…と読み進めていたら、その実「婚活をすっとばして終活を考えている」女性だったとは。しかも本のラインナップから書店員に見抜かれて露呈。この時点で小気味よい。安楽死というちょい重テーマで読み手の気も引く。サブキャラもたってる。それなりに魅力的なんだろうと思われる主人公がなんでこうも低体温なのかが謎のままでしたが、シーン構成や小技もきいていて、読後感の良い作品でした。