村を滅ぼされた父娘が仇敵から命じられたのは、星から刀を作ること。
咲沢領領主・瓜生光宗からとある命を受けた刀工・助六。光宗の勅命とは、宙から飛来し「星流れ(隕鉄)」より刀を打ち出せという荒唐無稽な難題だった。助六は盲目の娘・八重とともに、秘剣「彼岸星」の精製に挑む。
著 者:結城紫雄
編 集:高橋文樹
表紙デザイン
アートディレクター:松野美穂
デザイン/イラスト:jitari
NovelJam 2017 出場作品
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良かったです。語彙が豊富で、漢字が多いのに読みやすい文章。無駄もなく多すぎもしない描写。短い中で時代と設定、人物背景を読み手にイメージさせる筆力。重い人生を淡々と語っていますが、読者の想像に預ける奥行きもあり、読後引っ張られました。八重が刀に込めた希望(復讐の糸口というべきか)が、この後どう物語を紡ぐのか読みたい。昨年末、隕石でできた刀を見る機会があったので個人的にタイムリーでもありました。