彰子(しょうこ)はいったいどこへ? なぜ?
何ひとつ不自由なく、だが無為な日々を過ごす専業主婦の瀬口彰子。
ある時突然姿を消した彰子に、夫である建築士の瀬口広平は戸惑い、自らを責める。
妻が隠すように持っていた伝説の抽象画家ヒルダ・ヴーハーの額を見つけるが、娘の言葉から、それが自分の不在時にのみ飾られていたことを知る。
一抹の寂しさを感じる広平だが、失踪の理由を見出すことは出来なかった。
妻の失踪をきっかけに、どこにでもいる平和な家族に訪れた小さな危機と再生を描く、心暖まる家族小説。
本を入手していないとコメントは書けません。