優等列車を設定する重要な目的の一つが「遠近分離」です。
郊外の人口が少なく、都市間輸送の比重が相対的に高かった時代には、「遠近分離」の導入は容易でした。
しかし、かつての主要駅が新興駅に追い越され、相対的地位が低下した場合でも、優等列車の停車が既得権益として主張され、結果的に停車駅が増え続けることが珍しくありません。
「遠近分離」はこのように流動的なものであり、折に触れて見直しを行っていかなければ、輸送の実態からかけ離れたダイヤに陥ってしまうことになります。
本書では実例を挙げながら、各線の輸送実態に見合った望ましい「遠近分離」のあり方を探っていきます。
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