虐待、DV、ネグレクト。生まれる家を間違えた子どもたちは政府の極秘プロジェクトのもと、人生をやり直すことができる、はずだった。
ガラスケースの中に並んだ子どもたち。地域のこども館でひっそりと行われる見学会。それは子のない夫婦が虐待に遭った子どもたちを引き取るための場所。子どもを選ぶための場所。ただし、その子どもたちには普通とは違う点があった。子ども館に来るまでの記憶がすべて消されていること。「新品」の状態で引き取られていく二歳から四歳までの子どもたち。その中でひとり、一週間後に十八歳を迎えるアキがいた。十八歳になったら、外の世界へと放り出される。そんな彼女を支える男性スタッフ・シュウヘイ。
アキを引き取ってくれる夫婦は見つかるのか。
ふくだりょうこ(著)
野崎勝弘(編)
波野發作(デザイン)
NovelJam 2018 出場作品
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虐待、DV、ネグレクトといったヘビーな題材で物語を紡ぐ。昨年、児童養護施設に歌いにいく機会があったので設定も身近に感じることができた。ガラスケースの中に並んだ子どもたち。記憶から消されたはずの虐待やDVなどが再び勃発するのではないかと緊迫したトーンが続くがエンディングでは暖かな温もり、希望を感じることができた。