時代を司り、歴史を紡いできた女神たち。
ところが、次の時代の幕開けを告げる新しい女神の現出を、素直に喜べない事情があって...!?
元号を大胆に擬人化して描く、エスプリたっぷりの現代の寓話。
飴乃ちはれ(著)
澁野義一(編)
嶋田佳奈子(デザイン)
NovelJam 2018 出場作品
本を入手していないとコメントは書けません。
それぞれ特色ある四姉妹の神々が賑やかに飲み騒ぐなかにもそれぞれの神たちが民たちと歩んできた思いと妹たちへの思いやりが感じられます。作中の姉妹たちのやり取りが目に浮かぶように楽しくて、読むうちに思わず笑みがこぼれました。
最後は切なくもありますが、心が暖まる良いお話です。
この物語を通すものを考えるとしたら、「次代への思い」でしょうか。
凛とした姿勢で佇む慈愛深い上の姉、一見お気楽そうに見える二番目の姉、真面目一徹の苦労人な三番目の姉、そしてこれから姉になる優しい末子・・・。
多彩な性格を持つ女神たちが集う様子はとても微笑ましく、思わずフフッと笑いがこぼれてしまいます。
そんな楽しくにぎやかな喧噪の中で垣間見れる、それぞれの女神たちの苦労と、次代の妹たちへの思いが、涙を誘います。