人が死ぬはずがない街で、人が死んだ。妹を失った少年が、街を支配するシステムに立ち向かう。明らかになる衝撃の真実とはーー? 未来を示唆するディストピア小説の最前線。
高橋 文樹(著)
澁野 義一(編)
嶋田 佳奈子(デザイン)
NovelJam 2018 出場作品
本を入手していないとコメントは書けません。
近未来ディストピアSFミステリのプロレタリア文学、それを少年同士の友情を軸に進めていて、隙が見当たらない。。感情や関係性を、形容詞でなく仕草で示す文芸性が美しい。
NOVAなど商業SFアンソロジーに載っていても違和感を感じない気がする。
かっちりとした硬めの文体で、好きな人にとってはたまらない小説になるのでしょうね。わたしにとってはちょっと苦手な文体だったけど、何とかがんばって読みました。文体の割には主題が柔らかいところにセンスを感じつつ、個人的には人の生き死にを扱う主題なら『グッバイ、スプリング』のほうに軍配を上げてしまうので、何て言うか、ちょっと歯痒い感じのする読後感になりました。この文体でこの主題なら『虐殺器官』のようなストロングスタイルのほうがわたし好みかな。
とても、2-3日で出来たものとは思えない仕上がりです。この短文でも世界観に引き込まれて面白かったのですが、カースの成り立ちや、世界観全体についても、前後を知りたくなる作品でした。
面白いですねぇ。
メインのアイデとアか、ストーリーとの絡ませ方とか。
パワードスーツにおる医療介護や、ブロックチェーン型の掲示板のような小ネタも妙な現実味がありました。