2018年11月26日更新
購入者特典コードを追加。
…………………………
「満たされないなら、とりあえず埋めてよ」
OLの飯田は耐えられないさみしさから逃げている。まるで毎日を吐き捨てるかのようにして
。
毎晩違う男と宿にし、煙草をくゆらせ、笑っても、乾いて乾いてしょうがない。
一体、私の居場所はどこなの?
――そろそろ終わりの時間です。くだらねえな、しあわせなんて。
NovelJam2018秋参加作品
本を入手していないとコメントは書けません。
作者の感性、今の空気感がダイレクトに伝わってくる今を生きる小説。
気軽に他人とコンタクトがとれる時代、ただしその中からほんとうのやさしさを見つけるのはむずかしい、そんなことを思わせるちょっぴり詩的な小説。
飾り気のない等身大の女性の姿がここにはあった気がします。文章はまだまだ原石というのが正解かもしれません。しかし、この主人公を描く感性は本物だ。
誰しもの心の中に住む飯田に訴えてくる24ページの救いの本です。
感情移入する暇も無かった、というのが正直な感想。感情移入ではなく自分自身をはじめ実在の人物の投影が先になってしまう、「フィクション」とは思えない世界だと感じた。
恋愛の息苦しさは生きることの苦しさに似ていると思う。モノや手段は違っても「満たされたい」という感情は飯田だけのものじゃなく、私の中にも存在している。
彼女に幸あらんことを、と願った読了、作者も抱いているであろう満たされなさが埋まる日が来ますように。