上京したばかりの若侍 伊勢仁之助は、人を殺める御仏信仰「たたりぼとけさま」の噂を耳にする。寺社奉行所の役人として調査に乗り出す仁之助だったが……。
〈NovelJam2021Online参加作品〉
本を入手していないとコメントは書けません。
時代的な知識がなくともスムーズに世界へと入ることのできるよう配慮がされています。
そして、徐々に不穏な空気が増していく流れなども見事です。
今回は短編一話ですが、連作として二人の活躍が読みたくなる一作です。
時代背景、少しずつ怪談へ誘導されるような感覚、引き込まれました。著者は本当にこの世界観が好きなのだなあという印象、好きなことを好きなふうに書いたものは躍動感があって読んでいてこちらもなんだか嬉しくなります。
とても面白い小説です。
この時代に生きる階級制度も丁寧に描かれてたり、ゾッとするグロテスクな描写(褒め)あり、全体が和の雰囲気に包まれていて、タイムスリップした感覚になりました。