絵を描く夢を諦めた彩は無機質な日々を繰り返していた。しかし、ある時切り離したかった縁によって無機質な心は揺り動かされることになる。
〈NovelJam2021Online参加作品〉
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とても面白いです。
主人公の丁寧な心理描写、地の文章と台詞のバランスも調和して読みやすかったです。彩と他者とのつながり。同じ縁でも切り離せる縁とそうはできない縁ってあります。人の不安定感と絵を描くことを、モチーフにしてることもうまいと思います。絵が描けるときと描けないときってありますものね。繊細な心のバイオリズム、登場人物の関係性、そしてラストの収め方、読後も気持ちいいです。人が生きていくことで大事なことは、絵そのものより、絵の装飾の額縁かもしれませんね。