『写真集 日本の景』はシリーズ制作である。今回でシリー三冊目となる。それぞれ百の「景」を日本各地より選出しているので、この本で小計三百景となる。
このシリーズを制作するにあたり、周到な戦略をたてていたのである。まずは、カテゴリー分けするタイトル名である。
これらのカテゴライズする各タイトル名は、意外にも早く頭に浮かんでいた。それは、これまでに様々な「景」に接してきた際に、私自身の中ですでにカテゴライズしながら記憶へのインプットをしていたのである。
日本各地にてさまざまなフィールドワークを実践する際、出発前には調査項目をすでに分類しながらスケジュールを練るのも習性となっている。
その分類している調査項目が、カテゴライズされたタイトル名の母胎となっていくのである。さらに、フィールドワークの実践終了後には、必ず撮影した写真を細かく整理してファイリングもしている。
日時、場所、時間帯はもちろんのこと、関連する諸地との連結を視野に入れながらのファイリングである。その作業は必ずフィールドワーク実践後1~2日の内に終了させることを習慣化させていたのである。
それらの作業を、三十年前後にわたって地道におこなってきた。一時は、撮影した動画を編集して動画サイトにアップ(現在でも閲覧は可能である)してきてもいる。
今回、シリーズ三冊で三百景を選出するにあたり、それほど苦心惨憺することなく作業をこなすことができたのは、前述のような「習慣化された編集術」があったからと少々自画自賛している。
これからも、新たなフィールドワーク実践においては、同様の習慣化された編集術をいかんなく発揮し、ますます自身の感性を研磨していきたいと願う。
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