本書は神戸市外国語大学に在籍する学生記者・矢達侑子が、ガーナ大学(ガーナ共和国・首都アクラ)へ留学した2013年8月から14年8月までの約1年間に、NPOメディア「開発メディアganas」で連載した記事を集めたものです。タイトルの通り、女子大生(当時20〜21歳)の視点から、等身大のガーナをつづっています。食文化、紛争、インフレ、ファッション、バレンタインデー、大学のストライキなど、さまざまなテーマを取り上げており、ガーナの多様な面を知ることができる一冊です。
本を入手していないとコメントは書けません。
「女子大生の視点から等身大のガーナをつづった」とありますが、決してキャピキャピと表面的なことが書かれているのではなく、良い意味で期待を裏切られます。
日常生活で起こることの背景や理由がしっかり調べられていて、意外性があって面白く読めます。
ネットで調べただけとか、資料からデータをひっぱってきて終わりとかではなく、現地の人たちにインタビューをしたり、在住者だからこそ見えたことを、提供してくれています。
では、そもそもなぜ、私たちが遠いアフリカのことを知る必要があるのでしょうか。
アフリカは遠いからこそ、情報がないからこそ知る必要があります。
また、著者が言うように、アフリカでの紛争や貧困の原因を私たち先進国が作っていることも少なくありません。
著者はあとがきで
「私が本書を通じてお伝えしたかったことは、ステレオタイプを払拭してアフリカを見ることの大切さ、そしてアフリカを含む途上国と先進国の「つながり」です」と言います。
本書は「ガーナ」という例を通して、こうしたことを知ることの大切さを教えてくれます。