大学生四人組によって制作された短編集です。テーマは「春夏秋冬」で、それぞれの季節を題材にした作品四編から成り立っています。
(春)『赤い一本桜』 鈴原 鈴
「亜美ちゃん、本当に一人っ子なの…?」
主人公である亜美はこの春に入学したばかりの大学一年生。ある日、友人四人組で歩いていると、兄弟の有無についての話になる。亜美はとっさに自分は一人っ子であると告げるが、友人の一人である清水は、それは本当なのかと質問を投げかけてくる。
(夏)『記憶』 爽燕
「もしかして君、宇宙人ってやつ?」
これは、とあるおじさんが高校生のときに遭遇した不思議な女子高生の話。夏の暑い日、高校生時代のおじさんが一時間に一本しか来ない電車を待っていると、突然後ろから女子高生に声をかけられる。その女子高生は携帯電話を知らないなど、少し様子がおかしかった。
(秋)『落ち言の葉』 藤井カスカ
「お前は、あの子と一緒にいてあげてくれ」
日々を漠然と過ごす大学生、純一が両親の運営するアパートを掃除していると、一台の軽トラックが敷地の前に止まった。トラックの中からは頬のこけた男と少女が降りてきて、純一に引っ越してきたと告げる。その晩、純一は夕食の席で両親に少女の面倒を見るよう頼まれてしまう。
(冬)『雪解けに咲く』 小桜店子
「年がら年中、そのことだけを考えていたんでしょ?」
一つのことに熱くなることのできない女子高生、フユキは、バレンタインデーの放課後、天文部の部室で泣いている幼なじみ、ハルカを見つける。事情を聞いてみると、ハルカが席を外していた僅かな時間でチョコレートが消えてしまったらしい。
鈴原 鈴〈読み切り小説〉
爽燕〈読み切り小説〉
藤井カスカ〈読み切り小説、表紙撮影〉
小桜店子〈読み切り小説、編集、表紙撮影、表紙デザイニング〉
三浦茜〈身を尽くす会アイコン〉
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