鴻巣市には妻の実家がある。毎回妻の帰省に伴っては、ひとり写真禅修行を繰り返していくうちに、私はいつしか悟りを開いたのだった。いっそ写真のテーマを〝何もない街〟にしてみようと。するとどうだろう。今まで霞みががっていた街が突然輝きだし、フォトジェニックに変貌したのだった。私はその日、陽が暮れるまでシャッターを切りまくった。
鴻巣なんにもねぇ
ここ鴻巣には〝なんにもねぇ〟だけは、たくさんあるのだ。
第42回船橋市写真展北井一夫賞受賞作品!
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