鮫の王子チャッピーは海の世界に飽きていた。それと同時に、人間の世界に行かなければいけない、という思いを幼い頃から心の奥に秘めていた。
海の外にはどんな世界が広がっているんだろう。
そう思いながら陸に上がる方法を探していた。
魔女に話を聞きに行ったりもしたが、人間になる方法がわからない。
そんな時、神様と約束をする。
それは「一週間の内に自分や周りに起こることに対する行動によっては人間にすることを考えてやってもいい」というものだった。
チャッピーは必死に神様に褒められるようなことをすると決め、鮫なのだが鮫らしくない行動をするようになる。
そしてあっという間に一週間が経ち、チャッピーはやれるだけのことをやった。
すると神様が再び現れて、チャッピーに「約束を守ったから人間にしてやる」と言ってくれた。
しかし、人間を愛してはいけないということを約束しなければならなかった。
人間と愛し合ってしまうと、チャッピーか相手の人間の命がなくなってしまうのだ。
チャッピーは鮫ならともかく人間に恋愛するだなんて思わないと笑ったが、神様は「覚えておきなさい」と美しく微笑んで言った。
そしてチャッピーは人間になって、次に目が覚めるとそこは海岸だった。
素っ裸なチャッピーのところにやってきたのは漁師の父とその娘。
漁師の父はチャッピーに自分の半ズボンを穿かせて、家に連れて帰る。
チャッピーは人間の言葉は話せない。だから何を言っているのか二人にはちんぷんかんぷんだったが、チャッピーはどうやら「自分はチャッピーだ」と訴えているようだった。
警察に相談したものの、その後も失踪事件などが起きておらず、警察はお手上げ状態。
そして気が付けばチャッピーはその親子と、本当の家族になろうとしていた。
その後も、いろいろな困難や嬉しいことなどがチャッピーに起こる。
そして、娘との関係も徐々に変化していく……。
チャッピーは一体どうなってしまうのだろうか。
本を入手していないとコメントは書けません。