◆雇っていない幽霊
下級藩士の妻、琴絵は近所の繕い物を代行する仕事をしている。
ある日、仕立て直した着物を届けに行った琴絵は、強盗殺人の容疑者として役人に捕らえられてしまった。
真犯人を突き止めた夫の悠太郎の考えた自首させるための作戦は、果たしてうまくいくのか。
◆首のおみやげ
唄と舞の名手である桜は、隣国の殿様に気に入られて大金を手にした。
その金で弟妹のために御殿を建てたのだが、どうにも妹のくめとは相性が悪くて……。
◆古井戸
ひさしぶりに東京から帰ってきた恋人が、女と赤子を連れていた。
ショックを受けた夕子だが、説得により恋人は女と赤子を捨てて夕子を選んでくれた。
幸せの絶頂にいたある日、夫の不審な行動に気付いた夕子がこっそりと後をつけると。
◆くの字の坂道
ゆかりは毎日、祖母を待っていた。
家の前にある、くの字に曲がった坂の中腹にある電信柱の傍で。
けれどある日、祖母が帰ってこなくなってしまう。
◆気持ちいい誤解
佐代子は母の再婚を期に家を出たが、甘え癖が抜けずにたびたび夕食を食べに行っていた。
そんなある日、酒に酔ってそのまま泊まった佐代子の部屋に、男が忍んで来る。
義弟の信也に違いない、と佐代子は思ったが、酒の勢いに負けて体を許してしまう。
その日から、暗闇の中での秘密の逢引がはじまった。
◆さら・シリウス:あらすじ
◆鉢本杏梨:文章
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