乱暴な言葉でスーちゃんを叱りつけるかあちゃん。
でもかあちゃんは本当はとても愛情の深いかあちゃん。
乱暴な言葉に聞こえるけど、ちゃんとスーちゃんの心を傷つけたりはしません。
だからスーちゃんはいつまでもかあちゃんが大好きなのです。
翻訳者さんより
金沢弁の依頼を受けたとき、実家を離れて久しい私は、自信がありませんでした。それでも、金沢弁翻訳を引き受けると決心したのは、金沢は、亡き母がその人生の大部分を過ごした土地だったからです。そして、監修を引き受けてくれた金沢在住の友人、松本裕子さんの存在も、大きな後押しとなりました。
その金沢弁の特徴ですが、語尾を伸ばし、うねるような抑揚をつける言い方をします。
ほんとのかあちゃんの『ほんとの』の部分は、『ほんとのぉお』だったり、標準語と同じ『ほんとの』だったりします。今回の翻訳では、タイトルには『ほんとのぉお』を、本文中は『ほんとの』で表しています。
また別の特徴として、『が』と『げ』が多用され、鼻にかかったような『鼻濁音』の発音になります。例…ほんなががいいがか?(そんなのがいいの?)これは文字表記するのが難しく、音読の際は要注意です。
自分がかつて暮らした町の言葉を、この翻訳を通して見つめ直す事ができたことは、本当に新鮮で楽しい作業でした。監修の松本さんは、二人目のお子さんが生まれて多忙な中、全力で金沢弁と向き合ってくれました。彼女の協力のおかげで、この金沢弁が出来たと思っております。
一人でも多くの方が、この絵本を通して、温かみのある金沢弁にじっくりと触れ味わってくれることを心から願って止みません。
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