私を取り巻く環境や年齢ばかりが変化して、私を『大人』として扱いたがる。
中身は中学、高校、大学のあの頃からさしたる成長もしていないというのに、肉体ばかりが年をとる――
大森あかり。社会人バンド『shout』でボーカルをつとめる、悩める二十七歳。
六年間勤めていた会社を辞めたのち、バンド仲間・日向のマンションに転がり込んだ。どうにかしないとと思いつつ、なんとなく動き出せずに時間ばかりが過ぎていく。
そんなある日、日向がレルと名乗る十代後半くらいの青年を拾ってきた。
レルの登場をきっかけに、何かが少しずつ変わっていく――
三つのS――Sing Shout Suomi――が織りなす、大人のための青春ストーリー。
恋愛短編小説「ルピナスの戯言」も同時収録。
本を入手していないとコメントは書けません。
まず、驚いたのが、どんどん出版の数が増えるごとに、画像のように頭の中に
見えるようになってきたのです。それは、事細かに、周りの雰囲気や匂い、色を文字で表しているからで、読んで行くと同時進行で、画像が頭に浮かびます。特に、夢で携帯を触るシーンは、よく自分でも計算機を触っていてなかなか数字が出ない、もどかしさと、夢である変な感じ、をどんと、表に出しての、あのに文字。インパクトある演出だと、すごいの一言でした。
また、挿絵が、とってもわかりやすかった。
本当に、素敵な作品で、文章を、演出するというレベルの面白さが、見えた一品でした。ありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ