田中正造(1841〜1913)自伝の現代語訳です。
原文は1895(明治28)年に読売新聞上に連載されました。
徳川末期、領主六角家の悪政を退治した若き田中の活躍を「第一巻・青春立志篇」に描きました。
つづいて明治の暴君三島通庸(栃木県令)の独裁政治と対決します。三島は県知事でありながら泥棒と詐欺と人殺しを実行していたのでした。
弱きものをたすけ威張るものをこらしめる。壮年時代の正造が躍動します。
夏目漱石の「坊っちゃん」を彷彿とさせる竹を割ったような勧善懲悪ストーリーで、スピード感あるたいへん面白い本なのですが、文体が古めかしいことと、舞台が主として北関東と秋田岩手両県という多くの読者にとって、おそらくは、ぴんとこない土地であるため、残念なことに現代人はなかなか読めないと思います。そこで現代語訳することとしました。
底本は「田中正造選集第1巻民権への道」岩波書店1989年であります。
愉しみ読めるよう意訳調としています。
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