私たちの体は、内臓や筋肉、それをコントロールする神経やホルモンといった仕組みに外界の状況に合わせてその状態を変化させてゆく自然なシステムが備わっています。それは通常は私たちの意志とは関わりなく自然に働くシステムです。意志によってコントロールできません。
朝、日の光を感じて目を覚ませば、心臓の拍動は早く、血圧も高まり、爽快な気分とともに全体に活動的な状態になります。反対に日が暮れれば安静な状態になって眠りに就く。暑いときは自然に汗を出して体温を調節します。
ところが私たちが過度に内面を意識しすぎて、そこに注目の眼差しを向けると、この自然な流れに滞りが起こりいろいろな体調不良を起こします。これが心身症です。心理的な面のみに着目すれば不眠症や自意識過剰といったノイローゼ症ということになります。
こういった近現代の豊かさの影の部分の起源を西洋近代哲学の枠組みの中に探ります。拙著「コインの裏おもて」の難しいバージョンです。
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