夏の終わりに上陸した、超大型台風。
勢力を保ったまま、ゆっくりとした速度で東へと日本列島を横断していく。
「ちょ、ちょっと、大丈夫? とにかく、こっちに来て」
ぼーっとした感じで、彼女はこちらに近付いてくる。あきらかに何だか様子がおかしい。
「とりあえず、ここ濡れないから」
これが、彼女との出逢いだった。
雨風吹きすさぶ、台風の日に出逢った男女。
人生が大きく変わらなくても、何か心が前に進む時がある。
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体、出来事などとは一切関係ありません。
本を入手していないとコメントは書けません。
「今を生きる」事は、弱い自分も前向きな自分も、どんな自分も肯定することでもあり、
その時その時の自分の思いに素直になることでもある。
自分に素直になることで、自分が客観的に見える。
すると、今まで見えなかったものが見えて来たりする。
主人公と彼女の姿を通して、そのような気付きを私自身得る事ができました。
そして、希望のような明るい兆しを感じました。
台風は激しく強いものですが、その台風が引き合わせてくれた2人の出逢いは、
優しさや思いやりのあるもので、人の心の尊さが伝わってきます。
台風が去った後の清涼なエネルギーと同じものが、私の心に残っています。
今この瞬間を生きよう。大事にしよう!そう思わせてくれます。
購入させて頂き読ませて頂きました。
著者の優しさが滲み出ているお話です。
思えば私も上手くいかない
恋愛しか出来ない人生でした。
でもこの本を読み終えた時
私の頑なな心のバリアが
緩んだ気がしました。
どんな出来事もその人の人生の欠片なんだと
思えて優しい気持ちになれました。
ありがとうございます。